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エルガー「愛の挨拶」をめぐる音律ミステリー【謎編】

ショパンとキルンベルガー第一法の関係では大変お世話になっているこちらのサイトでは、エルガーの「愛の挨拶」のお勧め音律として、やはり第一法があげられています。
「なるほど、ホ長調だしね…これも一法か」
同じくホ長調のショパン「別れの曲」も、当ブログのこちらの記事で第一法を使ったし、D-Aのウルフを踏みにくいという点で、相性がいいことは分かっています。

急に打ち込みしてみたくなったので、全音ピアノピースの「愛の挨拶」を買ってきました。
しかし楽譜を見ると…中間のト長調でD-A被ってるけど大丈夫?
でもショパンだって、楽譜見てダメっぽくても上手く行くことあるしね!
まずは打ち込んでみよう、大好きな曲だし ────

(数時間後)…ダメだこれ!!!!


この曲は何よりも旋律の美しさが重要なのに、冒頭フレーズのA音が低くてカッコ悪いです。↓


しかしここは何度も聴けば「これもアリかな?」と許せないでもありません。
ですがト長調になってからのここ↓は完全にアウト!


どちらも「音階内にA音が含まれる調の旋律的なフレーズで、A音が低く感じられることがある」というキルンベルガー第一法の欠点そのままで、ある意味当然の結果です。
他にも弱音とはいえD・Aの同時打鍵(C##・Aも含む)もあるし、この音律のウリである白鍵領域の純正長・短三度を活用しているとも言い難く、お勧め音律どころか「欠点のデモ曲じゃないの?」と言いたいほど。

さて「愛の挨拶」は現在、オリジナルのピアノ版よりもヴァイオリンなど旋律楽器とピアノ(または小オーケストラ)の方が断然人気があり、良く演奏されています。
理由は簡単で、自由に音程が取れる楽器の方が、この曲の魅力である旋律が美しく聴こえるから。
現代のピアノといえば平均律ですが…↓(さっきと同じ演奏で、音律だけ違います)


これだけ聴いてれば「まあまあ」かもしれませんが、ヴァイオリンなどと比べると何となく旋律が冴えず、曲の魅力が今ひとつ伝わってきません。
これは「12の固定音」しか使えない鍵盤楽器の宿命みたいなもので、仕方ないのかなあ…と一旦は思ったんですが…
上の平均律演奏で、ふと気づいたことがあります。
「ホ長調からト長調に転調した最初の2~3小節が妙に不安定な気が…?」
(56秒~からの、特に旋律)


もしもエルガーのピアノが平均律だったら、このように作曲しただろうか?
1888年(←作曲年)ってまだ平均律じゃない可能性も…?
適切な音律を使えば、ピアノでも旋律が美しくなるのでは?

そこで片っ端からめぼしい音律を適用してみると ────
・キルンベルガー第二法:美点も多いが、傷も少々…
・キルンベルガー第三法:二法の傷は無くなるが、美点もやや後退
・ミーントーン系ウェルテンパー音律(ラモーなど):意外と良い
・ケルナー:なかなかいいけど20世紀の音律だしな…
・ヴェルクマイスター:大きな欠点はなくても、ピッタリ来る感じもない
・ヤング2よりはヴァロッティの方が若干良いみたいだけど、決め手に欠ける
・ピタゴラス律によるストレステスト(関係ないところにウルフを回して鳴らす)をすると、ホ長調部分は結構良いのに、ト長調に入ったところ(前述の平均律で不安定な部分)で完全に旋律が音痴になる
⇒「正解」音律は、五度圏図でホ長調音階部分は純正五度が、ト長調では狭い五度がかなり並んでいるようだ・・・?!
・A-Eの五度が狭い音律だと、転回した四度が広くなるので、冒頭旋律のE⇒A跳躍が広くなり、旋律が魅力的に聴こえる(第二法が良いのはそのため)

う~ん、若干の傷に目をつぶって第二法か、無難に第三法か、でも後者では平均律との違いが微妙すぎるかも。
もう少しインパクトのある音律はないものか…(音律ノートの五度圏図をぼんやり眺めていると、とある音律に目が留まる)

・・・あッ!!!これだこれ!すっかり忘れていた!
これなら第二法の傷は解消し、しかも第三法よりずっといいはず!
っていうか、あ~~!!!19世紀英国の音律じゃん!
どうしてもっと早く気づかなかったんだろ!
これでキマリに決まってる!!!  \(^o^)/     【次回に続く】
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