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「別れの曲」のイメージが変わる!?

ホ長/短調つながりで、今度はショパンのエチュード作品10の3「別れの曲」を、キルンベルガー第一法で。
(とあるサイトでこの曲は一法はダメ云々…とありましたが、私的には非常に良好と感じます)



ホ長調は第一法では長三度が広すぎて和音が悪いので、本来なら向いてないはずです。
しかし冒頭、有名な旋律の部分は、音律の特性を十分に理解して上手く弾くならば(←ココ大事)、第一法でとても美しく響きます。
この個所は聴いてるだけだと簡単そうですが、旋律と内声を同時に担当する右手が技術的にも音楽的にも完全な指の独立を要求されるので、実は非常に難しいのです。
打ち込みでも細心の注意を払って調整する必要があり、最も難しい部類に入るでしょうね。

例えばこのような内声はごく弱く弾かないと、長三度が汚いのが一発でバレます。
(第一法に限らず、平均律でも同様です)↓



この旋律の一番いいところも…↓



バカ正直にフォルテシモで和音を弾いたら、中低音のうなりが耳障りです。
旋律を優先し、それを静かに支えて引き立てる和音がベスト。
これは単なる音律の欠点隠しやごまかしではなく、音楽的にもその方が美しいのです…それに気づかないといけませんね。
階名読みで「ドレシド・レミドレ・ミ~」となるこの部分は、ドとミの間が広い方が旋律がキマります。
どうも「歌えるような旋律」は、ピタゴラス音階的に音を取ると、美しく聴こえるようです。
(第一法ではホ長調の五度圏にスキスマが挟まり、惜しくもピタゴラス音階になってませんが)

余談ですが昔、まだオリンピックの新体操が生ピアノで伴奏していた頃、ブルガリアの優勝候補の選手(金髪の超美少女!)が決勝で、天井高く投げ上げた二本のクラブをこのEG#B和音に合わせて背面キャッチする最大の山場に、あろうことか大きく取り損ねて大減点、金メダルを逃したことが未だに忘れられません。
予選では完璧だったので、決勝でも当然バッチリと思っていた私も大ショックでした。
一番失敗したらいけないところでやっちゃったわけです。
他人でもこれだけ覚えているのだから、当の本人にとってはもう「魔のEG#B和音」、このフレーズは一生聴きたくないでしょうね…(^ ^;)


さてこの「別れの曲」を、平均律で聴いていた印象ってどんなですか?
「有名な旋律の後しばらくして、何かドロドロしたおっかない部分があるよね」が私のイメージでした。
しかしキルンベルガー第一法だと、あまりドロドロしません…というか、妙にキレイなんです。
特に con bravura(華やかに/技巧的に)とあるこの部分↓


★動画では縁が黄色になっている箇所

ここは曲のクライマックス(であるはず)なのに、平均律だとドロドロモヤモヤしていて、ピアニストが必死で弾いている割には、盛り上がりがイマイチです。
それが第一法だとクリスタルのような透明な響き!
最初にこの曲を第一法で聴いた時、一番驚いたのがそれでした。
単なる気のせい? いや、何か理由があるはず……ありました!
ここは長短六度の連続、六度は三度の転回なので、長短三度の狂いが大きい平均律の欠点が露呈する部分なのです。
だから濁って当たり前。

では第一法ではどうなのか…楽譜をよく見た私は驚愕しました。
第一法で純正となる長短三度(転回した六度、オクターブ以上離れたものも含む)で、同時打鍵またはペダルにより音が重なる隣接和音を、マーカーで塗るとこうなるんです↓



この部分の終わりまで、この調子で純正音程連発 ──── キレイに響くはずですよ!
つまりこのエチュードは第一法で演奏すると、音楽的な山場と音律の長所がピッタリ一致するんですね。
まさかホ長調始まりで、第一法の三度純正領域がこのような形で活用できるとは、思いもしませんでした。
これは新パターンですよ!(笑)
偶然だとしたらあまりに出来過ぎていると思うのは私だけ…???!
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ショパンのホ調

下の娘がショパンを弾き出しました。子犬のワルツから始め,今Op64-2を弾いています。これもシャープ四つでホ長調かと思ったら嬰ハ短調(途中で変二長調に転調)のようです。

キルンベルガーIというのは,ハ長調に合わせたというイメージが強いですが,ホ長調でも良い(というか十分配慮すれば)というのはある意味オドロキですね。
ワルツホ短調では,経過句が音律的にも不安定になっているといういわば定石でしょうが,この曲では経過句はむしろ盛り上がり箇所で,そこが純正というのは,確かに新パターンですね。響きへの執念は,以前デモされたベートーベンのソナタとも,相通じるところがあるのでしょうか?
いずれにしても,キルンベルガーIで合うと言うのはかなり確信犯的ですね。

一法の使い方の勉強になる

  • REIKO
  • 2013/06/19(Wed)15:24:23
  • 編集
Enriqueさん、

娘さん、いよいよショパンですか!
家にいろいろな音楽が溢れていて、楽しそうですね。

>Op64-2
>嬰ハ短調(途中で変二長調に転調)
人気の幻想即興曲と同じパターンですが、どちらも第一法でバッチリの曲なんです。
ただし、純正領域が上手く利用されているか?という点では、「別れの曲」が断然上になりますね。
まあ白鍵をガチャガチャ弾いていれば(笑)純正音程に絡みやすいのですが、何故かD-Aだけは使われてない…というのが、偶然にしては出来すぎに感じます。

>響きへの執念
驚きがあるからこういうブログやってるわけで…というか、何気に(笑)調べていると、驚くようなことがたくさん出てくるんですね。
ベートーヴェンの時は、「そーか、第二法はこういう風に使うのか」と感心しきりでしたが、ショパンは「そーか、第一法はこういう風に使うのか」という勉強になるんですよ。
たまたま適合してるだけ…だったら、そういう印象持つかなあ?と思いますね。

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