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嬰ヘ長調~ヴェルクマイスターで24調・第4回

ヴェルクマイスターで24調シリーズ(詳細)、今回は調号にシャープが6つ!もつく、嬰ヘ長調です。
鍵盤上では、調号がフラット6つの変ト長調と異名同音なので、全調モノの曲集はどちらかを選んで記譜されています。
ところが2015年に出版されたメロディ・ボバーのIn All Keysでは、Book1:sharp keysとBook2:flat keysの二分冊になっていて、調号が5つ以上の調では同じ曲がシャープ系とフラット系双方で載っているんですね。
(変ニ長調と嬰ハ長調、嬰ヘ長調と変ト長調など)
読譜が得意な方で弾くもよし、苦手な方で勉強するもよし…ということなのでしょう。
…ということで、今回は次の曲を嬰ヘ長調曲として扱います。

◆メロディ・ボバー/ Reflections in the Stream(転調:平行調の嬰ニ短調)

★臨時記号がないので、嬰ヘ長調音階内の7音しか使っていません

◆ロバート・D・ヴァンドール/プレリュード 第18番 嬰ヘ長調(転調:イ長調、ホ長調)

★同じ米国教育作品のギロックやアレクサンダーの全調曲集が変ト長調を採用している中、こちらは嬰ヘ長調でした
★楽譜の指示により、中間部分以外でソフト(左側)ペダルを使用

ヴェルクマイスターでの嬰ヘ長調は、音階内に狭い五度が1つだけしかなく、ほぼ裏領域ということになります。

長三度は広すぎますが、純正五度が多いので響きがクッキリ透明で、分散和音やパッセージは長調らしい明るさがあって、なかなか良い感じですね。
主和音の五度(←重要!)F#-C#が純正なのもポイント高いです。
一方、和音の同時打鍵は三度がだいぶハズれる印象…ボバーの曲の中間部分がそうで、このような箇所は平均律なら多少マシになります。
(ただし平均律は全体に響きが曇ってしまいますが)
自分的にはヴェルクマイスターの裏系の響き、弾いていて気持ちが良いので好みです。

ところで嬰ヘ長調は、音階7音のうち5つが黒鍵…という「黒鍵の多い調」として知られています。
黒鍵は高さがあり黒鍵同士が離れているので、それを上手く利用すると「覚えやすく弾きやすい」曲を書くことができます。
急速なアルペジオが多い曲、五音音階の旋律などの場合ですね。
上掲の2曲はどちらも、メイン主題部分でそれが上手く利用されており非常に弾きやすいのですが、中間部分はそうでもないです。
相当「ゆびれん」やっていないと、黒鍵・白鍵の高さや位置の違いを吸収できず、16分音符がガタガタになってしまうでしょう。

それとこの2曲を比較すると(どちらも同じ米アルフレッド社出版の全調曲集なのに)、作曲家の才能の差があまりに顕で怖いくらいですね。
どっちがどうと言わずとも一目(一聴?)瞭然かと思いますが…。
実はヴァンドール、彼の作品中この全調曲集が飛び抜けて出来が良い(と私は思う)んですよ。
で、それまでイマイチ感があったボバーも In All Keys で化けるのを期待して楽譜買ったんですが…相変わらずの通常運転でした(苦笑)。

もっとも、単純な書法と想定内の展開に終始する彼女の作風は、込み入った曲を手掛ける前のステップとしては最適で、この曲集も慣れていない調の譜読みの練習にはむしろ向いています。
今回私も嬰ヘ長調は初めてだったので、先にボバーの曲を数日で仕上げてから、ヴァンドールの方に取り掛かりました。
後者は彼独特の変則的な転調のせいで臨時記号が多く、嬰ヘ長調に慣れてない状態でいきなりやると頭が混乱するかと思います。
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