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ヴェルクマイスターで C.P.E.バッハ「カロライン」

電子ピアノのフォルテピアノ音に相応しい曲…ということで、エマヌエル・バッハの「カロライン」を弾いてみました。
フランス・バロックにもよくあった、人物のポートレイト小品です。
3種類あるフォルテピアノ音のうち、一番柔らかく曇っている「メロウ」が曲のイメージにピッタリだったのでそれを使い、アンビエンスも多目にかけています。
音律はヴェルクマイスター、ピッチも現代より少し下げて、A=432Hz(←数値に深い意味はありません)にしてみました。



手稿譜の見づらいものしかIMSLPになかったので、楽譜付きにしませんでしたが、こちらの動画で楽譜が見れます
(私が使ったヤマハ・ミュージックメディア「バロック小品集2」の楽譜とは、装飾音やフレージング等がだいぶ違いますが)

この曲はイ短調で、当初はキルンベルガー(第3法)で練習していました。
試しにヴェルクマイスターにしてみたところ、A-Eの五度が狭いキルンベルガーよりも、冒頭などがスッキリした響きだったので、変更しました。
A-Eが純正なヴェルクマイスターは、キルンベルガー系音律が不得手なイ短調・イ長調が割と良いんですよね。
ただ短調なので、あえて狭い五度の曇った響きを選択するのもアリかと思います。
(ハ長調に転調する部分と、より対比をつけることもできる)
いずれにせよ、一般的な不等分律で演奏すれば概ね良好な曲ではないでしょうか。

しかし楽譜をよく見ると、Dis型ミーントーンなら使われている音が全て揃うので、ミーントーンでも音源を作ってみました。



大きな破綻はないですが、ヴェルクマイスターと比べると時折ハマりの悪い音程があります。
特に一番最後、終止音の前に長い音価で鳴る導音の嬰ト音が低い…
ヴァージナル曲や初期バロックの鍵盤曲だと、低い導音が曲調とマッチして古風な雰囲気を醸し出し、ミーントーン独特の世界が味わえるのですが、この曲の場合はあまり似つかわしいとはいえないようです。
きっとこの曲はもはやミーントーンではない時代の産物なのでしょうね。
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重いコートを脱いだ

La Carolineを聴かせてもらいました。
エマニエル・バッハというと,そう沢山聞いていないですが古典派以上にかなりロマンチックで現代的なイメージがあります。
最近殆ど気にしていないので,音律差に関しては何とも判断つきかねますが,重い響きを脱ぎ捨てた音楽のようには感じます。

早く生まれすぎたエマヌエル?

  • REIKO
  • 2015/01/20(Tue)23:49:23
  • 編集
Enriqueさん、聴いていただきありがとうございます。

>古典派以上にかなりロマンチックで現代的なイメージがあります
はい、エマヌエル・バッハはもう少し後に生まれていた方が、時代との相性が良かったのでは?と思っています。
「カロライン」は楽譜を見た時、あまり鍵盤曲らしくない変な譜ヅラだなあ…が第一印象でした。
技術的には簡単な曲なのですが、微妙に弾きにくいし、もはやバロックではないのに古典派とも肌合いが違うし、かと言ってあまりにロマン的な弾き方もどうかと思うので、演奏は色々と迷いました。
次の日に録音すれば、全然違った演奏になったかもしれないです。

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