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ヴェルクマイスターの表と裏

不等分律で、長三度の純正からのズレが比較的少ない領域を、ズレが大きい領域をと言うことがあります。
学問的な用語ではなく、あくまで俗な表現ですが。
では聴感上、表と裏でどれくらい違うのか、体験に格好のサンプル曲を見つけたので、ヴェルクマイスターで演奏してみました。

キャサリン・ロリン「Pure Heart」…★楽譜はこちらの曲集に収録


(音量が小さいと違いが分かり難いです、ヘッドホン推奨)

16小節の主題が、多少伴奏を変えただけで4回繰り返され、最後に短いコーダがつく単純な曲ですが、ハ長調で始まり3回目(画像でオレンジ色の花がアップになる部分)で半音上の変ニ長調に転調、その後またハ長調に戻ります。
(コーダ以外の部分では、臨時記号もごくわずか)
五度圏図で分かるように、調号無しのハ長調とフラットが5つも付く変ニ長調では、音階構成音の領域がほとんど反対になります。↓



つまりこの「Pure Heart」では転調時に、ヴェルクマイスターの表から裏そしてまた表へと変わる様子が聴けるんですね。
曲中変ニ長調の部分は変ハ音(=ロ音)が2回鳴る以外は音階内の音しか使ってないため、ほぼピタゴラス律(長三度がバカ広い)で鳴っており、狭い五度が多いけれど長三度は割と良いハ長調とは真逆状態です。
ヴェルクマイスターで最も響きが異なる2調間での転調、聴いてみてどんな印象でしょうか?

何が違うの?って人から、ボロクソに言われている平均律よりもさらに長三度が劣化している変ニ長調が音痴で耐えられない人、いやこれが有名なあの調性感ってやつでしょ、なるほど…と頷く人まで色々だと思います。
(あくまでこの曲限定ですが)私は弾いていて、変ニ長調がこの程度の崩れ?なら許容範囲内というか、むしろ気分が変わって面白いと思いました。
ちょっと遠い所に来た感じ…と言えばいいでしょうか。
主題を4回繰り返す内、3回目がコレ(笑)って、出番としてはナイスタイミングです。
その後また安定したハ長調に戻って終わるので、問題ありません。

ただこの曲は平均律のピアノで作ったのでしょうから、本来は転調しても音律による響きの変化などは無く、音程関係が全く同じまま半音上下するだけのはず。
平均律でも弾いてみましたが、ヴェルクマイスターに比べ正直言って退屈でした。
主題はなかなか清純な魅力があっても、構成的には駄曲と言われてもしょうがないでしょうねえ。
時々こういう安易な曲があるんですよね、キャサリン・ロリンは…売れっ子で忙しいせいかもしれませんが…(^ ^;)
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