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クープランの音律?で「神秘の障壁」

古典調律のデータを調べていると、フランソワ・クープランの修正ミーントーンなるものがあります。
その言い方だと、F・クープランが考案した・・・ような印象を受けますが、同じ音律をフランス17世紀の一般的音律と紹介しているものもあり、真偽のほどは分かりません。

まだウルフ(純正より大きく狂っていて使えない五度)が残っています。



通常のEs型ミーントーンよりも21セントほどE♭が低いので、この音はD#にもなる兼用音としていいと思います。
D#は良く使われるので、これなら一々Dis型ミーントーンに調律替えしなくてもいいですね。
(それがこの音律の「狙い」だと思いますけど)

E♭-B♭-Fの純正より5セント広い五度(いわゆる wide fifth)は、一応五度としてガマンできる広さなので「使え」ます。
このあたりに広い五度を配するのが、フランスバロックの音律の特徴のようです。

この音律で変ロ長調の「神秘の障壁」を演奏してみました。
広い五度領域をまともに使うため、独特の響きです。



A♭音は、G#が代わりに鳴っているので相当低いです。
このG#自体は通常のミーントーンと同じ高さなので、本来ならここで「破綻」してもおかしくありません。
しかし、E♭やB♭も低くなっているのに加えて、和音が半拍ずつズレて入る書法のせいか、崩れそうで崩れませんね~!
まさに神秘・・・落ちそうで落ちない、よろめきそうでよろめかない ──── スレスレの色っぽさが実におフランス!
これを聴く限りでは、本当にこの音律で作曲してたのかもしれないなぁ、と感じるのは確かです。

F.クープランのクラヴサン曲は数も多いし、バッハのようにMIDIが簡単にダウンロードできる状況にないので、音律の想定に手間がかかります。
装飾音が多いので(「神秘の障壁」は例外的に少ない方)、自分で打ち込むのも大変なんですよ・・・(^ ^;)
でも装飾音が不正音程のカバーに利用されてることがあるので、省くわけにはいきません。
装飾音はバロック音楽の華ですが、そういう実際的な事情もあるようです。
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無題

そうか,midiで打ち込んだものが既にあればゼンゼン楽なのですね。装飾符は一撃でmany many notesを発生してしまいますね。見直すと良く理解できますね。
ピタゴラス系の純正五度の中だとコンマはアチコチで「押し付け合い」ですが,ミーントーン系のウルフはドチラさまも「やさしく吸収」してくれるので,おさまりが早い!
このフレンチ・ミーントーン,ギターのソルにも使えるのでは?というのは以前からの課題なのでそのうち試したいと思っております。

midiがあればラク

  • REIKO
  • 2012/05/29(Tue)22:05:33
  • 編集
Enriqueさん、

>midiで打ち込んだものが既にあればゼンゼン楽なのですね
そうです・・・バッハ、ベトベン、モーツァルト、ショパン、ドビュッシーなど、ピアノの人気曲はmidiを打って公開している人が多いので、ダウンロードしてきて自分のPCで音律変更して聴けば、簡単に調べられるのです。
ただし、ひどい音の間違いがあったり、いわゆるベタ打ちで繰り返して聴くのがしんどいものも多いですが。
もっとも「手弾き入力」したmidiは、なかなか良い演奏もあり、音律がハマると聞き惚れてしまうこともあります。

>ギターのソルにも使えるのでは
ああ、そうなんですか!
記事にも書いたように、D#・E♭どちらにも使えそうな音ができてるので、実用的な面があると思います。
ぜひお試しください。

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