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ピタゴラス律でピアノ曲

D-Aにウルフを置いたピタゴラス律で演奏した、ショパンの「小犬のワルツ」 変ニ長調(作品64-1)です。
記事のBGMにどうぞ↓↓↓



最近は、古典調律にスケール変更できるデジタルピアノが多く出回っています。
プリセットの中には大抵「ピタゴラス律」も入っていますね。
この音律が音楽史上、鍵盤楽器に常用されたことはなかったと思いますが、上の「小犬のワルツ」のように、十分使ってみる価値がある(そして実際「意外と使える!」)ので説明します。

五度を純正に取っていく音律をピタゴラス律と言います。
最初の音から順に、その五度上、そのまた五度上・・・と純正に音を決めていき、12音揃ったところで(これ以上続けると1オクターブに鍵盤が13以上必要なため)打ち切ります。
音高がどんどん高くなるので、実際には適宜オクターブ下げる・・・を行って律を割り出すと、最後に残った五度だけが純正よりも約24セント(平均律半音=100セント)狭くなります。これが「ピタゴラス律のウルフ」です。

普通は、調号の少ない調であまり使わない位置にウルフが来るようにするので、下記の五度圏図で表すことが多いようです。↓↓↓



デジタルピアノでピタゴラス律にすると、初期状態ではG#-E♭にウルフが来る・・・と思いますが、メーカーによって違うかもしれないので、実際に弾いて確かめてみてください。
五度としては使い物にならない狭さなので、聞けばどなたにも分かります。
その状態で、古典派のハ長調の曲(例えばクレメンティのソナチネやモーツァルトのソナタなど)を弾くと、ウルフにはひっかからなくても、和音が汚いとか旋律が音痴だなど、あまり結果が良くないはずです。
ピタゴラス律は多くの長・短三度が、平均律よりもさらに純正から隔たっているからです。

しかしここでちょっと工夫すると、事情が違ってくるんですね・・・
まず「基音変更機能」を使って、ウルフの位置をD-Aに動かします。
★初期状態の「基音C」でウルフがG#-E♭なら、基音「F#」にすれば、D-Aにウルフが移動するはず ── 良く分からなかったら、D-Aを弾いてウルフになるまで設定し直す!(笑)
これで19世紀以降の調号の多い曲(目安として、#か♭が4つ以上)を弾いてみてください。
「これはいいじゃん♪」な曲が結構見つかると思います。

何故そうなるかの種明かしは横に置いておいて(笑)、とりあえずこのD-Aウルフ・ピタゴラス律で良好に演奏できる曲のほんの一部をあげると──

「乙女の祈り」「銀波」「亜麻色の髪の乙女」「ゴリウォグのケークウォーク」「月の光」「楽興の時第三番」「英雄ポロネーズ」「別れの曲」「幻想即興曲」「華麗なる大円舞曲」「黒鍵のエチュード」etc.etc.....

ものすごくベタな人気曲オンパレードじゃないですか・・・(^ ^;)
ピアノに使った場合、ピタゴラス律は明るく透明感のある響きで、伸び伸びした旋律と分散和音の美しさが特徴です。
多くの三度が平均律よりも、長三度は広く&短三度は狭くなるので、長調と短調のコントラストもはっきり出ます。
上掲の「小犬のワルツ」も、ピタゴラス律の明るく粒立ちの良い響きが曲のイメージとピッタリだと思いますが、いかがでしょうか?
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