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もしかしてあの音律だったのかも?

前回からの続きです。
実はこの曲たった28小節、2分もかからない小品ながら、長三度のC音とE音(ハ長調のドとミ)の同時打鍵が52回もあるのです!
しかも耳が音程に敏感な中音域に音が固まっているので、平均律だと長三度の狂いが非常に目立つんですね。
これじゃまるで、平均律の欠点をデモンストレーションする曲みたいじゃないですか!
作曲家というのは、非常に耳の良い人達です。
だから「プランテーション・ソング」が平均律のピアノで作曲されたとはとても思えませんでした。

キルンベルガー第3法ならC-Eが純正なので、ピッタリ来るのはある意味当然なんですが、20世紀半ばのピアノに使われていたとは考えにくいし…
……あ、でもあの音律なら可能性あるかも!
そうです、ヴェルクマイスターです!試してみました↓↓↓



キルンベルガーより良いとまでは言えませんが、平均律よりはずっと旋律も和音も安定していて、十分美しく聴こえますね。
ヴェルクマイスターはC-Eの長三度が純正より約4セント広いので、「ミ・ミ・ミド~♪」の「ミ」がごくわずかドに対して上ずっています。
でも平均律の酷いハズレ具合と比べれば、完全に許容範囲ではないでしょうか?

ヨーロッパでは、ウェル・テンペラメント(ウルフがなく全調の演奏が可能な不等分律)と平均律(ピタゴラスコンマを全ての五度に等分)が混同されていた(今でもされている?)経緯があり、平均律と称して不等分律の元祖であるヴェルクマイスター音律の調律手順がかなり広く普及していたそうです。
モーリス・ティリエのピアノがヴェルクマイスターだったのなら、この「プランテーション・ソング」の書き方は、十分に納得行くものです。
ピアノの保守は調律師任せで、作曲家が音律について全く知識がなかったとしても、実際に弾きながら作曲していれば、その音律にとって「良い」(少なくとも「悪くない」)音の置き方になるはずですから。

この曲と同時期に作曲されたティリエの他のピアノ曲(もしあれば)も調べてみないと確実なことは言えませんが、ヴェルクマイスターだった可能性はかなり高いと思います。
ですが比べてみると、キルンベルガーの方が何となく心地良いです…「C-E」の純正音程が効いてるんでしょう、第3法にたった1つ残っている純正長三度がこんなに生きる曲も珍しいのでは?
もし「キルンベルガー第3法・作曲コンテスト」なるものがあれば、そのピアノ小品部門(2分以内)で最優秀賞を取るのは間違いありませんね(笑)。

楽譜を見る限り第1法や第2法ではダメそうだし、一般的な古典調律の中では、キルンベルガー第3法がこの曲のベスト音律と考えていいと思います。
電子ピアノを買い、とりあえずキルンベルガー(第3法)がデフォルトになるよう設定して、たまたま練習したピアノ再開後初めての楽曲が、それとピッタリだった…って、話が出来過ぎてて何か怖いなあ…(^ ^;)
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