ゴルトベルク変奏曲~第6変奏とクオドリベット
バッハのゴルトベルク変奏曲を、ウルフ四分割ミーントーンで演奏する企画、長調の変奏を2つピックアップしてみました。
(今度はIMSLPから無事楽譜がダウンロードできたので、旧バッハ全集版の譜面で動画を作っています)
第6変奏・・・繰り返し記号より前に、この音律で通常のミーントーンから変更した音(B♭・G#)が出ます。
また後半では、アリアで登場したD#の他にA#も使われています。 ↓↓↓
別に問題ないかと思います♪ (^-^)
では一気に跳んで、第30変奏クオドリベット ↓↓↓
(繰り返しでは装飾を入れています)
後半のD#が出てくる箇所、少し気になりますね・・・特に第10小節。
B-D#の、ピタゴラス長三度に近い広い長三度と、F#-D#の長六度(やはり大変広い)が一緒に鳴っているのがマズイのでしょうね。
ここは音楽的に、やや引き延ばし気味に演奏する箇所なので、D#音が高く浮いているのが目立ちます。
ゴルトベルク変奏曲の長調変奏全体で、ここが一番危ないかな?の箇所です。
バロックのこういうフレーズでは、D#音の箇所に装飾音が入るのが普通なのに、楽譜にはその指示がありません・・・音律的な都合は別にしても、楽譜どおりだと少し物足りないです。
チェンバロやっている人なら、つい手癖?でトリルを入れてしまうところかも。
(実際、ここに装飾を入れて録音している奏者もいます)
上の動画では、繰り返しの際にそのようにしてみました。
トリル(バロックでは通常、主音の上から)を入れると、音程的な不具合がほとんど気にならなくなるのが良く分かります。
なお12小節目では、B音の方にモルデントを入れています。
私はダウンロードしてきたMIDIで全変奏をこの音律で聴いていますが、長調変奏は概ねこんな感じで、大部分の人には「これでよいじゃん♪」と言ってもらえると思います。
なお、繰り返し記号前の部分がミーントーンと全く同じに響く変奏は、
第1、3、4、7、8、10、12、20、22、23、24、29、30・・・変奏になります。
次回は短調変奏を取り上げますが・・・3つしかないとはいえ、これが曲者なんですね~!
ト短調なので、すでに音階内に広い五度が2つもあります。
大丈夫なんでしょうか?(^ ^;)
(今度はIMSLPから無事楽譜がダウンロードできたので、旧バッハ全集版の譜面で動画を作っています)
第6変奏・・・繰り返し記号より前に、この音律で通常のミーントーンから変更した音(B♭・G#)が出ます。
また後半では、アリアで登場したD#の他にA#も使われています。 ↓↓↓
別に問題ないかと思います♪ (^-^)
では一気に跳んで、第30変奏クオドリベット ↓↓↓
(繰り返しでは装飾を入れています)
後半のD#が出てくる箇所、少し気になりますね・・・特に第10小節。
B-D#の、ピタゴラス長三度に近い広い長三度と、F#-D#の長六度(やはり大変広い)が一緒に鳴っているのがマズイのでしょうね。
ここは音楽的に、やや引き延ばし気味に演奏する箇所なので、D#音が高く浮いているのが目立ちます。
ゴルトベルク変奏曲の長調変奏全体で、ここが一番危ないかな?の箇所です。
バロックのこういうフレーズでは、D#音の箇所に装飾音が入るのが普通なのに、楽譜にはその指示がありません・・・音律的な都合は別にしても、楽譜どおりだと少し物足りないです。
チェンバロやっている人なら、つい手癖?でトリルを入れてしまうところかも。
(実際、ここに装飾を入れて録音している奏者もいます)
上の動画では、繰り返しの際にそのようにしてみました。
トリル(バロックでは通常、主音の上から)を入れると、音程的な不具合がほとんど気にならなくなるのが良く分かります。
なお12小節目では、B音の方にモルデントを入れています。
私はダウンロードしてきたMIDIで全変奏をこの音律で聴いていますが、長調変奏は概ねこんな感じで、大部分の人には「これでよいじゃん♪」と言ってもらえると思います。
なお、繰り返し記号前の部分がミーントーンと全く同じに響く変奏は、
第1、3、4、7、8、10、12、20、22、23、24、29、30・・・変奏になります。
次回は短調変奏を取り上げますが・・・3つしかないとはいえ、これが曲者なんですね~!
ト短調なので、すでに音階内に広い五度が2つもあります。
大丈夫なんでしょうか?(^ ^;)
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ゴルトベルク変奏曲【アリア】~修正ミーントーン
半音階的幻想曲とフーガ、イタリア協奏曲に続いて、バッハのゴルトベルク変奏曲を修正ミーントーンで演奏しようと企んで(笑)います。
で、前者二曲と同じウルフ三分割ミーントーンで「若干の傷はあるも」全体的には良好・・・と打ち込みを進めていましたが、やっているうちにその「若干の傷」が徐々に気になってきまして。
三つある短調の変奏で、分割ウルフの約8~9セント広い五度をまともに弾くところがあるんですね。
⇒ 第15変奏3小節、中声と上声のE♭- B♭、第21変奏12小節、中声と上声のA♭- E♭など
また、第25変奏では広い五度を二つまたぐF# - E♭が10・13小節の低声・中声に出てきて、これも響きが良くありません。
最初は「短調だからまあいいか」「和音ズラシ奏法なら目立たないはず」とか思ってましたが、破綻するような不具合でなくとも、もう少し何とかしたいな感が増幅。
また長調変奏で頻出するD#音が、同時打鍵する音の組み合わせによっては「少し高い」のも、完璧を目指す私(笑)としては、だんだん許せなくなってきました。
そこで色々と頭をひねり、考え出した音律 ↓↓↓
約5セント広い五度は、純正五度から少しずつ広くしていき同時打鍵して許せるギリギリの広さで耳調律が可能と思います。
(正確な分割というより、ウェル・テンパーの精神で)
ウルフが消失しているので、不等分律に近い音律かもしれませんが、それでもミーントーンの五度が8つ連続、純正長三度は5つ維持されていて、調号の少ない調&臨時記号の少ない箇所では、ミーントーンに近く響きます。
ではまず、これで「アリア」を演奏してみます。 ↓↓↓(繰り返し省略)
★IMSLPの旧バッハ全集譜が、何度ダウンロードしても「ファイルが壊れて」いて開けないので、(見づらいですが)初版楽譜を使っています。
でもこの曲にある程度以上の興味を持っている人なら、絶対に楽譜を持っているはず(笑)なので、お手元に用意してお聴き下さい♪
繰り返し記号前の部分は、完全にミーントーンと同じ響きです。
後半に入るとホ短調に転調して、ここで(和声的短音階のため)D#が出てきます。
この音律ではD#がE♭との兼用音なので、だいぶ高いですが十分許せますよね。
また、この部分は起承転結の「転」にあたるので、少し不穏な?響きで聴いている人にゆさぶりをかけるのが、むしろ効果的とも思えます。
(あまりに安定していると、冗談じゃなく寝てしまう・・・?)
25小節以降は、ふたたびミーントーンと同じ響きになります。
ゴルトベルク変奏曲は、いわゆる「コード進行」が同じ変奏が続くので、音律的には冒頭アリアが大丈夫であれば、少なくとも長調の変奏はOKと言えます。
次回は他の長調変奏をもう少し ──── 続く♪
で、前者二曲と同じウルフ三分割ミーントーンで「若干の傷はあるも」全体的には良好・・・と打ち込みを進めていましたが、やっているうちにその「若干の傷」が徐々に気になってきまして。
三つある短調の変奏で、分割ウルフの約8~9セント広い五度をまともに弾くところがあるんですね。
⇒ 第15変奏3小節、中声と上声のE♭- B♭、第21変奏12小節、中声と上声のA♭- E♭など
また、第25変奏では広い五度を二つまたぐF# - E♭が10・13小節の低声・中声に出てきて、これも響きが良くありません。
最初は「短調だからまあいいか」「和音ズラシ奏法なら目立たないはず」とか思ってましたが、破綻するような不具合でなくとも、もう少し何とかしたいな感が増幅。
また長調変奏で頻出するD#音が、同時打鍵する音の組み合わせによっては「少し高い」のも、完璧を目指す私(笑)としては、だんだん許せなくなってきました。
そこで色々と頭をひねり、考え出した音律 ↓↓↓
約5セント広い五度は、純正五度から少しずつ広くしていき同時打鍵して許せるギリギリの広さで耳調律が可能と思います。
(正確な分割というより、ウェル・テンパーの精神で)
ウルフが消失しているので、不等分律に近い音律かもしれませんが、それでもミーントーンの五度が8つ連続、純正長三度は5つ維持されていて、調号の少ない調&臨時記号の少ない箇所では、ミーントーンに近く響きます。
ではまず、これで「アリア」を演奏してみます。 ↓↓↓(繰り返し省略)
★IMSLPの旧バッハ全集譜が、何度ダウンロードしても「ファイルが壊れて」いて開けないので、(見づらいですが)初版楽譜を使っています。
でもこの曲にある程度以上の興味を持っている人なら、絶対に楽譜を持っているはず(笑)なので、お手元に用意してお聴き下さい♪
繰り返し記号前の部分は、完全にミーントーンと同じ響きです。
後半に入るとホ短調に転調して、ここで(和声的短音階のため)D#が出てきます。
この音律ではD#がE♭との兼用音なので、だいぶ高いですが十分許せますよね。
また、この部分は起承転結の「転」にあたるので、少し不穏な?響きで聴いている人にゆさぶりをかけるのが、むしろ効果的とも思えます。
(あまりに安定していると、冗談じゃなく寝てしまう・・・?)
25小節以降は、ふたたびミーントーンと同じ響きになります。
ゴルトベルク変奏曲は、いわゆる「コード進行」が同じ変奏が続くので、音律的には冒頭アリアが大丈夫であれば、少なくとも長調の変奏はOKと言えます。
次回は他の長調変奏をもう少し ──── 続く♪
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