美しいバラにはトゲがある音律
D-Aにウルフを置いたピタゴラス律は、純正五度は11ありますが、長・短三度は正しく「合っている」ものがありません。(前の記事参照)
しかし少し工夫すると、純正音程を大幅に増やすことができます。
【考え方】ピタゴラス・コンマ(約24セント)狭くなっているD-Aを、シントニック・コンマ(約22セント)にして、その差(約2セント)を適当な五度に割り振る!
このようにすると、キルンベルガー第一法という音律になります。↓↓↓
キルンベルガー第一法では、約22セント狭い五度を挟んだ4つの長三度と3つの短三度が純正になるので、一気に純正音程が7つも増えたことになります。
(ただし純正五度は1つ減りましたが)
注)短三度(振動数比5:6)は長三度と比べて純正かどうかが耳に分かりにくいので、少しくらいズレていても問題にはなりませんが、短三度を転回した長六度(振動数比3:5)は長三度並に重要な音程とされます。
⇒ 短三度が純正なら長六度も純正になるので、美しく聴こえる
⇒ 純正でなくて構わない短三度でも、純正ならやっぱりキレイ(当たり前の話・・・笑)
純正な三度が増えたことにより、キルンベルガー第一法では、「CEG」「GBD」「FAC」のハ長調主和音・属和音・下属和音が全て長三度・五度とも純正になります。
(この音律について、「ハ長調が純正律」と言うことがあるのは、これを意味します)
当然、(和声的には)ハ長調の曲が一番キレイ・・・なんですが、都合のいい例曲がなかなか見つからないので、ヘ長調ですがシューマンの「楽しき農夫」をどうぞ。↓↓↓
いいですね~♪ とてもスッキリ&クッキリ響いています!
これなら一日の農作業を終えた後、ニコニコ気分で家に帰れそうですね♪
美しい音程が身も心も癒してくれる感じです。
しかしこの曲は短く単純なので、たまたまキルンベルガー第一法で不具合なく演奏できただけ、少し手の込んだ曲で白鍵領域をうろつく(笑)と、たちまちD-Aの狭い五度を踏んで破綻してしまいます。
美しいバラにはトゲがあるという言葉、まさにキルンベルガー第一法のためにあるような。
しかし少し工夫すると、純正音程を大幅に増やすことができます。
【考え方】ピタゴラス・コンマ(約24セント)狭くなっているD-Aを、シントニック・コンマ(約22セント)にして、その差(約2セント)を適当な五度に割り振る!
このようにすると、キルンベルガー第一法という音律になります。↓↓↓
キルンベルガー第一法では、約22セント狭い五度を挟んだ4つの長三度と3つの短三度が純正になるので、一気に純正音程が7つも増えたことになります。
(ただし純正五度は1つ減りましたが)
注)短三度(振動数比5:6)は長三度と比べて純正かどうかが耳に分かりにくいので、少しくらいズレていても問題にはなりませんが、短三度を転回した長六度(振動数比3:5)は長三度並に重要な音程とされます。
⇒ 短三度が純正なら長六度も純正になるので、美しく聴こえる
⇒ 純正でなくて構わない短三度でも、純正ならやっぱりキレイ(当たり前の話・・・笑)
純正な三度が増えたことにより、キルンベルガー第一法では、「CEG」「GBD」「FAC」のハ長調主和音・属和音・下属和音が全て長三度・五度とも純正になります。
(この音律について、「ハ長調が純正律」と言うことがあるのは、これを意味します)
当然、(和声的には)ハ長調の曲が一番キレイ・・・なんですが、都合のいい例曲がなかなか見つからないので、ヘ長調ですがシューマンの「楽しき農夫」をどうぞ。↓↓↓
いいですね~♪ とてもスッキリ&クッキリ響いています!
これなら一日の農作業を終えた後、ニコニコ気分で家に帰れそうですね♪
美しい音程が身も心も癒してくれる感じです。
しかしこの曲は短く単純なので、たまたまキルンベルガー第一法で不具合なく演奏できただけ、少し手の込んだ曲で白鍵領域をうろつく(笑)と、たちまちD-Aの狭い五度を踏んで破綻してしまいます。
美しいバラにはトゲがあるという言葉、まさにキルンベルガー第一法のためにあるような。
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ベートーヴェンPソナタ~へ短調の秘密
ベートーヴェンのピアノソナタ 第1番 ヘ短調第1楽章、音律はキルンベルガー第二法です。
ベートーヴェンのピアノソナタと、キルンベルガー第二法の相性の良さに気づいたのは、ブルクミュラーがきっかけでした。
(風が吹くと桶屋がもうかる式の話?)
【経過説明】いろんな曲をキルンベルガー第一法(第二法ではなく)で鳴らして遊んで?いた
⇒ ブルクミュラー25練習曲の「舟歌」(変イ長調)が、D-Aウルフにひっかからず上手く鳴ることに気づく
⇒ 曲集全体では第一法だと不具合続出なので、これは「偶然」と考えられる
⇒ そうか、♭4つの変イ長調は音階内にD-Aを含まないので、ウルフに引っかかりにくいんだな~と気づく
⇒ 他にも♭4つの曲を試してみよう・・・何かいい曲ないかいな?
⇒ 大好きなベトベンの第1番ヘ短調(♭4つ)のことを思い出す
⇒ そういえば、何故第1番がヘ短調という変な調?なのか、昔から不思議だったなあ
⇒ 試してみると、第1・4楽章は(予想通り)第一法でバッチリ、しかし第3楽章はヘ長調のトリオで一瞬D-Aにカスり、第2楽章(ヘ長調)はガタガタ・・・。
⇒ 第二法にすると不具合は完全に改善、音律の特性と曲調&書法のマッチングに驚愕!
\(^ ^)/■■これは二法の曲ですよ ■■\(^ ^)/
思うに子供の頃から親しんでいた曲が、私をこの素晴らしい発見に導いてくれたようなものです。
バラバラだったパズルのピースが、ピタッとはまったような瞬間でした。
ヘ短調という調性は、一見キルンベルガー第二法の純正領域とは関係ないように思えます。
しかし! 和声的短音階ではヘ短調の属和音がCEGに、ヘ短調の属調ハ短調の属和音がGBDとなるので、ここで第二法の美点が生きるのです。
ベートーヴェンは要所でこれらを使っており、狭い五度に対しては「安全圏」で、しかも純正音程も生かせるヘ短調は、第二法にとって格好の調なんですね。
後に彼は再度この調で「熱情」を書きますが、希代の名曲誕生の裏にキルンベルガー音律の存在があったのは間違いないと思います。
もっとも「熱情」は、第一法ではないかな?と私は思っていますが。
それはまた別の記事で。
ベートーヴェンのピアノソナタと、キルンベルガー第二法の相性の良さに気づいたのは、ブルクミュラーがきっかけでした。
(風が吹くと桶屋がもうかる式の話?)
【経過説明】いろんな曲をキルンベルガー第一法(第二法ではなく)で鳴らして遊んで?いた
⇒ ブルクミュラー25練習曲の「舟歌」(変イ長調)が、D-Aウルフにひっかからず上手く鳴ることに気づく
⇒ 曲集全体では第一法だと不具合続出なので、これは「偶然」と考えられる
⇒ そうか、♭4つの変イ長調は音階内にD-Aを含まないので、ウルフに引っかかりにくいんだな~と気づく
⇒ 他にも♭4つの曲を試してみよう・・・何かいい曲ないかいな?
⇒ 大好きなベトベンの第1番ヘ短調(♭4つ)のことを思い出す
⇒ そういえば、何故第1番がヘ短調という変な調?なのか、昔から不思議だったなあ
⇒ 試してみると、第1・4楽章は(予想通り)第一法でバッチリ、しかし第3楽章はヘ長調のトリオで一瞬D-Aにカスり、第2楽章(ヘ長調)はガタガタ・・・。
⇒ 第二法にすると不具合は完全に改善、音律の特性と曲調&書法のマッチングに驚愕!
\(^ ^)/■■これは二法の曲ですよ ■■\(^ ^)/
思うに子供の頃から親しんでいた曲が、私をこの素晴らしい発見に導いてくれたようなものです。
バラバラだったパズルのピースが、ピタッとはまったような瞬間でした。
ヘ短調という調性は、一見キルンベルガー第二法の純正領域とは関係ないように思えます。
しかし! 和声的短音階ではヘ短調の属和音がCEGに、ヘ短調の属調ハ短調の属和音がGBDとなるので、ここで第二法の美点が生きるのです。
ベートーヴェンは要所でこれらを使っており、狭い五度に対しては「安全圏」で、しかも純正音程も生かせるヘ短調は、第二法にとって格好の調なんですね。
後に彼は再度この調で「熱情」を書きますが、希代の名曲誕生の裏にキルンベルガー音律の存在があったのは間違いないと思います。
もっとも「熱情」は、第一法ではないかな?と私は思っていますが。
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